▼ネット婚活CM 頭に静かにブラインドがかかる

▼ネット婚活CM　頭に静かにブラインドがかかる

有名な会社のCMはさすがプロのスタッフが集まって作っているだけあって、
とてもお上手。感心するばかり。
ただ、お上手だと思うけれど好感がもてない。

女性「時代小説が好きです」
男性「歴史物をよく読みます」
女性「鎌倉とかいいですよね」
男性「お寺めぐりとか」
女性「それで疲れると」
男性「すぐお茶しちゃうんですよね」
女性と男性顔を見合わせて「あ！」
男性「今度一緒に出かけませんか？」
女性「はい！」

あたかも趣味が合ったら交際できるかのように作られていますけれど。
明らかにその前に容姿の審査が入ってる。
画面下に小さく「イメージキャラクターです」という文言が入ってます。

あれは若い芸能人の方ですから！

そんなこと分かってるよ、当たり前じゃない、って思ってると思う。
でも怖いことに頭に一瞬でブラインドかけられるのです。
あのCMを見ながら、自分も歴史好き、やっぱり趣味の合う者同士なら盛り上がるよな、
表立っては趣味のことだけつらつら考えているときに頭にぼんやり浮かんでいる映像は、
あのCMの男性や女性になっている。
少なくとも駅ですれ違って目もくれていない異性レベルではない。
さらに。
あたかも並んでテンポよく会話しているかのようなイメージを与えるCMですが、
実際には、
夜、自分の部屋でパソコンやスマホをにらみながら自分でメールの送信ボタンを押して、
来るかどうか分からない返事を待つやり方なのです。
あれだけスムーズにやり取りが進むでしょうか？
自分の写真やプロフィールを見られた上で返事がこない可能性はないのでしょうか？

「あまりお金をかけずに出会いたい」
この程度の覚悟で果たして「結婚」まで行き着くものか。
行き着ける人はネットを使わなくても
リアルな知り合いの中でお相手をつかまえられます。

実際にああいう爽やかな異性と可愛い異性と「自分が」
「趣味が合う」という一致点で意気投合して一回でもリアルデートが出来るかどうか。
デートしてお互い気持ちが盛り上がって結婚式まで到達するかどうか。

あのCMは独身者を甘く見すぎてやしないかと憤る一方で、
いやいやむしろその点きちんとマーケティングした上で
「結婚したい人」ではなく「うちの会社に来るお客さん」
にターゲットを絞ったまことにお上手なやり方と言うべきなのかもしれない。

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