▼ヤマメとサクラマスの明暗
▼ヤマメとサクラマスの明暗
NHK「ダーウィンが来た!」は、ネイチャー番組ですが、
婚活と照らし合わせて考えさせられることが多く。
ある回の、ヤマメとサクラマスの話。
ヤマメとサクラマスは見かけが全然違うのに、実は同じ卵から生まれている。
生まれた川で一生を過ごすのがヤマメ。
一度海に出て行って川に戻って来たのがサクラマス。
ではどこで違いが出てくるのか?
水槽に稚魚を入れて実験してみると。
エサを投入したときに、水面で争ってエサに群がるグループと、
食物争いが苦手で底をうろうろするグループに分かれる。
2週間が過ぎた頃には、積極的なグループの方が体長が10倍くらい大きくなる。
この生存競争に強そうな方が海に出て行くのかと思いきやそうではなく、
底でうろうろ組が川ではエサにありつけず、海に出て行くことになる。
海は危険がいっぱいだがエサも豊富にあり、人生一発逆転のチャンスなのだ。
水温の暖かい九州ではほぼ全てがヤマメのままなのに対し、
北上するほどサクラマスになる割合が増え、
北海道では4分の3がサクラマスになる。
1年後、厳しい海を生き抜いて1割にまで減ったサクラマスが川に戻ってくる。
更に川を遡上する試練も乗り越え、ようやく故郷にたどり着く。
体長はヤマメの30倍にもなっている。
ヤマメのオスがサクラマスのメスに寄っていっても、
ぴしゃりと背びれで払いのけられるだけ。
大きく育ったサクラマスにとって、ヤマメはもはや恋のお相手ではないのだ。
サクラマスのオス同士が競い合って勝ったオスだけが子孫を残せる。
最後の力を振り絞って水面に叩き付けるようにサクラマスのメスが産卵し、
サクラマスのオスが受精する。
そこに、ヤマメのオスが物陰から紛れ込む。
あまりに体長差があるせいで隙間から入ることが出来るのだ。
ヤマメにとって自分の子孫を残せるほんのわずかの可能性に賭ける。
川→海→川の過酷な移動に耐え、子孫を残す務めも果たしたサクラマスは体力の限界、
ここで力尽きる。流れに身を横たえてぴちぴちあえいで死んでいく。
一方ヤマメは、寒い冬を水底で過ごし、来年のチャンスを待つ。
さてこの話から導かれる教訓は?
→「勝ち組」「負け組」なんて一概には言えない。