お嫁入り前の身辺整理ガイド 極端ブログ「甘いぞ断捨離!

結婚相談所の企画担当が、バサバサとしがらみを切り捨てシンプルな暮らしを提案する婚活応援?ブログです。

▼二時間ドラマの様式美を語りたい

刑事ドラマしかやっていないと揶揄されるテレビ朝日ですが、
刑事ドラマ一筋でやっているだけあって、
二時間サスペンスの手馴れ感は突出しているように思われます。
最近個人的に非常に残念でならないのは、色々戦略上の都合ではありましょうが
放送時間を11時過ぎまで延長させたが為に、これまで築き上げてきた様式美が
若干くずれてしまったようでならないことでございます・・・・・・。
(意見には個人差があります)。

土曜ワイド劇場は以前はPM9:00〜PM10:54でした。

1.開始10分までに、最初の殺人+主要登場人物紹介を、一気に流れるように済ませます。
ここが一番お見事。ほれぼれします。
いきなり殺人シーン。
次にがらりと変わって。
子どもに見送られて家を出て乗った朝の満員電車で痴漢を投げ飛ばして現行犯逮捕して、
ヒロインのフルネーム(表札とお姑さんの名前呼び)と家庭環境(シングルマザー)と
職業(刑事)と性格(男勝り)を明らかにします。
遅刻ギリギリで署に駆け込んで
ヒロインをけむたく思う上司から嫌味を言われ、同僚にからかわれ、
署内の人間関係とヒロインの立ち位置の説明を済ませます。
そして殺人事件の一報が入る。ここまでほぼ10分。
観光地とタイアップの場合は、観光地説明も加わるのでますます手際は良くなっていきます。

2.開始から9:25くらいまで、たまたまチャンネルを合わせた視聴者をがっちり逃さない為に、
CMを一回も入れません。事件関係者のことが続々と明らかになっていきます。

3.10:00近くになると、一番怪しいと思われていた容疑者が捕まります、あるいは殺されます。

4.あれ?ちょっと今までの捜査方針だとおかしくないか?という、
新たなネタ投入で方向転換があるのが10:00ちょっと過ぎくらいです。

5.ここまで見たらもう逃げないだろうと、以降は非常に小刻みにCMが入れられていきます。
いわば前半1時間ダミーを追って、これからの30分で真犯人が徐々に明らかになっていくわけです。

6.10:30くらいまでに真犯人を崖の上に追い詰めます。
ここまで見てくれてご苦労様でした、あとは種明かしをご覧ください、という地点です。

7.10:50くらいまで20分以上かけて、ヒロインによる解決編です。
延々語りますから、多少画面に変化がつくように(空、樹木、海、波)、
屋外の崖の上といった場所が使われるようになったようです。

8.犯人が泣き崩れ改心します。平日夜10時の多少ひねくれてもいい連続刑事ドラマと違って、
腹落ちしないラストは許されません、勧善懲悪です。

9.ヒロインとパートナーが笑顔で人生を語りながら歩くのにかぶせ、
明るいエンドロール曲が流れます。

なんてスッキリした様式美の世界でしょう。
そしてなんで時間延長してしまったんだろう間延び感が残念残念・・・・・・・。

二時間ドラマは放送時期が確定しないまま制作されることも多いようで、
わりと季節感についてはアバウトです。
気候の良い時期なのに登場人物がコートとマフラーなんてこともざらです。
でもスポンサーには気を付けなければいけないので(薬や車や酒を使った殺し方は
スポンサーによってNG)、どんなスポンサーが付いても大丈夫なように、
殺すときはバッグに入れておいた包丁で突進していくケースが多くなります。
これが最強の手段です。

ちなみに。主人公自身が刑事でない場合、
それでも警察情報が入ってくることはどうしても必要なので、
主人公の家族や恋人が刑事、あるいは主人公が元刑事、という設定が作られます。
(主人公が町医者であった為、看護師の姉の元ダンナが刑事、
いつも疲れているので点滴を打ちに診療所に来て捜査情報を落としていく、なんて設定もありました)。

二時間ドラマのお約束で白けてしまうのではなくて、逆にお約束を拾いながら、
友達とリアルタイムでメールやラインのやり取りをすると、意外に楽しめますよ。