▼マナーは存じてます、しかし 〜パスタ

パスタをスプーンとフォーク両方使って食べるのは日本だけ、
本場イタリアでは子どもの食べ方、
というのはテレビのうんちく番組でもう3回くらい見た気がする。
なぜ急にこのうんちくが流行り出したのだろう。

正しいマナーについては諸説あるようですが、
ともあれ、スプーンを使った方が食べやすい理由が色々あります。
フォークだけよりも絡まった麺を適量引き寄せやすいし、
パスタの先のソースが服に飛び散りにくいし、
具とパスタを一緒に口に入れやすい。
少なくとも格式とは無縁の千円前後のランチだったら、
両方置いておいてほしい、使いたい。
どうしてもイタリアとは違う、と言うのなら、日本人の知恵ということでよくないか。

コツは、フォークで引き寄せてからスプーンにのせるのではなくて、
１）フォークとスプーンでパスタを適量挟んで（フォークの先はスプーンに軽くあたっている）
２）軽く一度上に上げてから（絡まった他のパスタを落とす感じ）
３）手前に引き寄せて
４）スプーンの上で、フォークの端1本をスプーンに軽くあてたままくるくるしたら
５）巻き終わり最後の状態のスプーンとフォークをそのままの状態で口元まで持っていく
　（一瞬ちょっと格好悪いかもしれないけど）
この調子でつるつる食べていましたら、隣のテーブルの見知らぬご婦人から
「お上手ねえ」と声をかけられたことがあります。

スープパスタもありますのでついでに。
スープを音を立てて飲んではいけないというのは当たり前ですが、
具体的にはどうすれば音が立たないのか。音を立てないようにタコのような口になって
おそるおそるすするのはそれはそれで格好がよろしくないのではないか、と思ってましたら、
あるマナーブックで、大変分かりやすい「やり方」が書いてありました。
１）スープをすくったスプーンを口（顔）に対してまっすぐ直角に持つ
２）スプーンを水平のまま、口の中へ3分の2まで進める
３）3分の2まで入ったところで初めてスプーンを少し傾ける、吸う必要は無し
不思議と熱く感じないので、ふうふうする必要や、スープを吸い込む必要はありません、
自然と、適温で、口の中に流れ込んできます。
手順を整理してみたらこんなに簡単なことだったんだ、とちょっとびっくり。